シニアレジデント研修

Program糖尿病内科専門医コース

施設資格 日本糖尿病学会認定教育施設
研修後進路 当院で糖尿病内科スタッフとして専門医の取得を目指すことも可能。
研修過程 2・3年目
  • 病棟では、主治医または指導医として糖尿病医療を適切に行う。糖尿病に直接関連する疾患の研修も可能(循環器、腎臓内科、神経内科など)。
  • 他科入院の糖尿病患者コンサルトに対応する。
  • 週1-2回の糖尿病代謝外来を担当する。
  • 外来インスリン導入を適切に行う。
  • 週1回の入院糖尿病教室を担当する。
  • 糖尿病患者会に積極的に参加する。
  • 臨床研究に積極的に参加する。
備考 糖尿病専門医のための研修カリキュラムに準拠し研修を行う。(参考)

1年目

目標:糖尿病の診断基準および病型分類に基づき、糖尿病の診断ができ、かつ適切な治療を選択し実行できる。

  1. 入院患者の主治医として、病型分類を元に、1A型、1B型、2型、その他、妊娠糖尿病の診断ができ、また診断の根拠を説明できる。
  2. 診断に必要な検査を理解し、実行できる。
    • 2-1. 膵島関連自己抗体の臨床的意義を理解する。
      抗GAD抗体、IA-2抗体、IAA抗体など。
    • 2-2. インスリン分泌能の検査を実行しその数値の臨床的意義の解釈ができる。
      ブドウ糖負荷試験におけるInsulinogenic Index、血中、尿中C-peptide、グルカゴン負荷試験
    • 2-3. インスリン感受性、インスリン抵抗性の検査の理解
      高インスリン血症、HOMA-R、内臓脂肪蓄積(CT)などの理解
    • 2-4. 尿中ケトン体、血液ガスの検査の実行とその解
  3. 緊急状態の理解
    ケトアシドーシスの診断、感染症、妊娠などを即座に診断し、適切な治療をすみやかに実行できる。
  4. 診断に基づいて適切な治療が実行できる。
    • 4-1. 食事療法の意義を理解しその内容を理解する。
    • 4-2. 運動療法の意義を理解しその内容を理解する。
    • 4-3. 経口血糖降下薬の病態を考慮した使い分けおよび併用療法を理解し実行できる。
    • 4-4. インスリン療法の適応を理解し、適切な治療が実行できる。
    • 4-5. 薬物療法における副作用を理解し、その対処方法を理解し患者指導ができる。
    • 4-6. 血糖コントロールと合併症に関連したEvidence Based Medicine (EBM)を理解しそれに沿った目標を立て診療ができる。
    • 4-7. 患者教育指導の重要性を理解し、コメディカルスタッフと協力し、糖尿病教室、患者会への積極的に参加する。
    • 4-8. 血糖自己測定の意義を理解し実行できる。
    • 4-9. 糖尿病における保険診療の内容を理解する。

2年目

  1. インスリン分泌、インスリン作用、インスリン抵抗性、肥満症の概念を理解し、糖尿病発症の機序における意義につき理解する。
    • 1-1.Metabolic syndrome の概念を理解する。
    • 1-2.高血圧症の適切な薬剤を用いての治療ができる。糖尿病における高血圧の発症機序を理解しその治療の意義を理解する。糖尿病における血圧管理の重要性を理解し実行できる。
    • 1-3.高脂血症の適切な薬剤を用いての治療ができる。糖尿病における高脂血症の発症機序を理解しその治療の意義を理解する。糖尿病における脂質管理の重要性を理解し実行できる。
  2. 糖尿病発症における遺伝子異常を理解し、またその表現型を理解する。
    • 2-1.ミトコンドリア遺伝子異常の診断ができる。
    • 2-2.Maturity onset diabetes of the young(MODY)の概念を理解しその遺伝子異常を理解する。
    • 2-3.インスリン受容体異常症の表現型、臨床所見を理解する。
    • 2-4.インスリン異常症の表現型、臨床所見を理解する。
    • 2-5.インスリン抗体の臨床的意義、臨床所見を理解する。

3年目

  1. 糖尿病合併症の診断および管理ができる。
    • 1-1.糖尿病性網膜症の診断、病期分類とその重要性を理解する。増悪因子の理解とその内科的管理ができる。
    • 1-2.糖尿病性腎症の診断、病期分類とその重要性を理解する。
      早期腎症の診断と内科的介入が実行できる。
      血圧管理の重要性を理解し、薬剤の選択ができる。
      蛋白制限食の意義につき理解する。
      透析導入の予測と低蛋白血症、浮腫、心不全の管理ができる。
      透析専門医への紹介時期を理解する。
    • 1-3.糖尿病性神経障害の診断と治療ができる。
      末梢神経障害の診断ができる。
      自律神経障害の症状を理解し、診断ができる。
      糖尿病性壊疽の危険因子を理解する。
      単神経障害を理解し診断できる。
      糖尿病性胃腸症を理解し、治療できる。
      無自覚性低血糖の存在を理解し、その対応を理解する。
  2. 糖尿病合併妊娠および妊娠糖尿病の治療ができる。
    • 2-1.血糖コントロールの重要性を理解しその管理ができる。
    • 2-2.妊娠時の血糖上昇の機序を理解する。
    • 2-3.妊娠中、分娩後の胎児の合併症の理解およびその機序を理解する。
    • 2-4.妊娠時の食事のカロリー摂取量を理解する。
    • 2-5.妊娠中の血糖コントロール基準を理解する。
    • 2-6.妊娠糖尿病の診断ができる。
    • 2-7.授乳中の食事カロリー摂取量を理解する。
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