専修医研修Program

後期研修医・レジデント(シニア)


救急救命科専修医(後期研修)プログラム

施設資格
  • 日本救急医学会
  • 救急科専門医認定施設
  • 日本集中治療医学会
  • 集中治療専門医認定施設
特徴 年間6万人の患者が来院する北米型ERで、Emergency Physicianとしての十分な研修が行える。
また、救命救急センター病棟では重症患者の集中治療の研修が行える。
研修責任者 日本救急医学会救急科専門医 伊良部徳次
研修期間 1から3年
研修中に取得できる資格 日本救急医学会救急科専門医資格、日本集中治療医学会専門医資格を取得するのにあたり必要な5年間のうち、3年間の研修ができる。
なお、各々のバックグラウンドによるが、日本内科学会認定医資格も取得できる。
研修後進路 研修終了後当科スタッフとして更なる研修を積み、後進の指導に当たることも可能。
研修過程
1年目
  • 救命救急センター病棟にて、指導者とともに研修を行う。ここでは、主として重症の内因性疾患や外因性疾患の初期治療について学ぶ。希望に応じ他科研修も可能(応相談)。
  • 救急外来にて、1次から3次までの救急外来患者の初療およびアドバンスド・トリアージを、指導者とともに行う。
  • 希望に応じ、週2回程度の検査手技(腹部超音波検査、心臓超音波検査、上部消化管内視鏡検査、気管支鏡検査など)研修をすることができる。
  • 手技については、気道確保、呼吸管理、循環管理について重点的に経験する。
  • 救急車への同乗体験を通じ、病院前医療体制の基本について学ぶ。
  • 心肺蘇生法、外傷初療において標準化された手法を学び、実践する。
  • 千葉県内の救急医療研究会等にて、症例を発表する。
2年目
  • 救命救急センター病棟にて、助言を受けながら重症患者の初期治療を行う。
  • 救急外来にて、重症患者の初療においてリーダーシップをとる。
  • 救急外来にて、軽症から中等症の患者の初療を、助言を受けながらほぼ独立して行う。
  • 希望に応じ、検査手技の研修をすることができる。
  • 救急救命士との症例検討会に参加し、病院前医療体制についてより深く学ぶ。
  • 心肺蘇生法、外傷初療において標準化された手法を他者に教育する。
  • 救急医学関連の学会に参加し、発表する。
3年目
  • 救命救急センター病棟にて、重症患者について概ね単独で治療方針を決定する。
  • 救急外来にて、1次から3次までのすべての救急患者の初療ついて独立して行う。
  • 救急外来にて、適切なトリアージ、オンラインメディカルコントロールを行う。
  • 救急外来での初療にて1,2年次研修医に適切な助言を行う。
  • 1,2年次研修医へ気道確保、呼吸管理、循環管理の手技について指導を行う。
  • 希望に応じ、検査手技の研修をすることができる。
  • 救急救命士との症例検討会に参加し、病院前医療の質の向上に貢献する。
  • 心肺蘇生法、外傷初療において標準化された手法を他者に教育する。
  • 救急医学関連の学会に参加し、発表する。

救急救命科の業務内容

業務内容は、主に5つの軸に分かれます。

救急外来での初療

当院救急外来は、年間6万人が受診します。近隣に病院がほとんどないため、1次から3次、24時間365日、風邪から多発外傷まで、あらゆる疾患の方が来院されます。

原則受診を断ることなく、救急外来では科にこだわらず初療を行い、必要な場合は各科専門医にコンサルトできます。

全科の「待機医」が自宅待機をしています。当院では医師全員が敷地内に住んでいるため、待機医には比較的気軽にコンサルトできる環境にあります。

救急救命科は平成15年の設立ですが、当院救急外来は古くからこのスタイルで診療を行っています。(救命救急センターのページ参照)

各 科の主に若手の医師が当直医として様々な疾患の初療にあたります。救急当直の先生と一緒に診療することがまず主な業務です。救急外来は、しばしば混み合ったり、様々なトラブルの現場となったりすることがあります。その交通整理をしたり、統括をしたりすることも業務に含まれます。

救急外来をよりシステマティックに、良い医療が出来る場とするため環境を整備していくのも重要な業務です。多科にまたがる疾患、緊急度の高い病態の場合は、診療のイニシアチブを取ります。

救命救急センターでの病棟業務

いわゆる重症用として使える病床が、16床あります。12床が救命救急センターで、4床はICUですが、相互に柔軟に利用しています。救急外来から 入院した重症内因性疾患、多発外傷、中毒などが主な守備範囲です。電撃傷やアナフィラキシーなど、従来の科別の枠組みにあてはまらない方もみています。

術後は主に各科で診ていますが、要請があれば協力体制を敷いています。各科の枠組みにあてはまらない軽症患者を担当することもあります。

また、循環器疾患が非常に多く、現時点ではCCU業務も兼ねているため、循環器系の疾患に強くなれます。

重症用病棟に常駐しているので、重症患者の初期管理に強くなれるばかりか、診療・勤務体制・安全管理体制・教育体制等で疑問や改善点を見つけた場合、皆で検討してより良いシステム作りをしていける環境があります。

若手医師の意見でも、医学的・社会的に正しい意見であれば、皆で検討した上で改善事項として通る土壌があります。病棟内にインターネット環境があり、Uptodate等で診療上の疑問をいつでも即座に検討することができます。

院内救急

院内救急コールがあったときに、率先してイニシアチブを取ります。院内で急変があった時に応援要請をしたいとき、当院では2つ方法があります。

  1. 「ドクターグリーン」。全館放送で緊急コールがかかると、手の空いている医師が我先にと急変のあった場所に集まります。その数と勢いは、「人が集まりすぎるこ とが悩みの種になる」ほどです。当院の医師の良識と善意が垣間見える瞬間です。その場合、救急救命科医師がリーダーシップを取り、主治医等と協力し合って 場を統括します。ドクターグリーンの件数は、過去4ヶ月で10件でした。
  2. 「院内PHS」。救急救命科医師は、交替 で緊急連絡用のPHSを24時間365日持っています。ここには、救急隊からの指示要請、ドクターヘリ受け入れ依頼、館内放送のかけられない時間帯に起 こった急変の応援要請がかかってきます。何時であろうと、広い院内のどこへでもかけつけます。

院内救急体制を整備するのには、システム作り、物品整備なども含まれます。また、院内救急コール症例の症例検討をして、より良い体制を敷かなければなりませ ん。急変時対応の教育・訓練も重要です。定期的に会議を設け、訓練、症例検討、改善のための提案をしています。院内救急体制作りの中心を担うのも、救急救 命科の大切な役割です。

地域救急体制作り

救急医療は、地場産業です。地域の地理的、社会的背景などを抜きにしては語れません。地域の病院のご協力をいただきながら、メディカルコントロール体制作りの中心を担っています。

具体的な内容としては、救急隊員との症例検討会(月1回)、プロトコール作り(救急隊員のための病態別の活動指針)、事後検証(救急隊の活動が適正に行われ たかどうか医学的見地から検証する:月最低1回)、救急隊員へ教育・訓練活動など(BLS、JPTEC、プロトコール訓練など)などが挙げられます。

限られた医療資源の中で、どのようにすれば最も良い医療が提供できるかを、近隣の二次病院や消防署を交えて意見交換し、考えていく機会が定期的に設けられて います。今後当地域においては、地域の病診連携、病病連携が非常に重要な役割を占めてきます。地域医療を、よりグローバルな視点から考える機会に恵まれる のも、当科の特徴といえます。

教育、研究、その他

まずは日常業務あってのことですが、教育、研究活動も重要であると考えています。

救急救命科にローテーターとして来る初期研修医、後期研修医への教育(On-the-job training)はもちろんのこと、院内外での教育活動も盛んです。

BLS,ACLS,JPTEC,JATEC等の活動の他、近隣消防職員、院内スタッフへの啓蒙・教育、院内研修医対象の救急医療に関する教育カンファランスなどで中心的な役割を担っています。

当院救急救命科のセールスポイント

  • 症例がとにかく豊富。しかも近隣に病院が少ないため、偏りなくあらゆる疾患を診ることができる。
  • ER型救急外来での初期診療、重症患者の病棟管理をともに研修することができる。
  • しかも、外来・病棟で働く者が同じ科同士であるため、共通言語を持って協調的に活動できる。
  • 労働衛生に配慮できる職場環境。望めばいくらでも忙しくできるが、疲れを残さず仕事に臨むことも仕事のうちと考えている。
  • 柔軟性のあるプログラム。新しいことでも正しいことで物理的に可能なことであれば、意見が通りやすい。
  • 毎週のカンファレンスで研修プログラムの軌道修正ができる。
  • 院内救急体制作り、地域救急医療体制作りなどにも関われる。

救急医の専門性

救急は、専門外の方には専門性がわかりづらい分野だと思います。

例えば、当科に特化した専門知識は多少なりともあり ますが、専門手技はほとんどありません。しかし、誰でもできる基本的なベッドサイド手技(気管挿管、動脈圧ライン、中心静脈ライン確保から、もっと基本的 な手技まで。意外と奥が深いものです)については誰よりも上手に、安全にできなくてはならない、との気概を持っています。

救 急医は、緊迫した局面で、即座の決断を迫られます。ここぞと言うときに良い判断をすると、何事も起こらないので目立ちませんが、悪い判断をするととてもよ く目立ち、しかも最悪の結果になります。そういう意味でも、救急医の仕事は目立つ仕事ばかりではなく、地味な仕事も多いものです。しかし、やりがいを感じ ることができ、一生をかけることの出来る仕事です。

救急救命科で研修すると、ほとんどの重軽症の救急疾患の初期対応能力、重症度・緊急度の判断能力、問題解決能力、不安定な患者の初期安定化能力が身につきます。患者・家族、スタッフとのコミュニケーションスキルも磨く場があります。

プログラムと進路

プログラムは、本人の希望に応じてオーダーメイドで柔軟に考えています。将来救急を専門とする人には、基礎体力作りに最適な環境です。特に当院で継続して救急医療に従事していただく場合、地域医療体制作りにまで関わっていただこうと考えています。

ここで後期研修を終えて、他の施設に行かれる場合でも、親身に研修について考えたいと思います。将来救急を専門としない人にとっても、救急疾患の初期対応、初期安定化能力作りに最適な環境です。週2回程度、院内での研修に出ることができます。

過去の例としては、腹部エコー、心エコー、上部消化管内視鏡、耳鼻科外来と手術、眼科外来などがあります。院外での学会や講習会等も、業務に支障が出ない範囲内で奨励しています。

見学も随時受け付けております。

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